発表会はビジネスか?

この春の発表会シーズンもひとまずは終了。

毎年のことながら連休中もあちこちの会場で撮影し、翌日からは自宅にこもり編集作業。

そんな日々の中でちょっと面白い話がありました。

 

それは、とある発表会が終わりスタッフ数名と近くのカフェにお茶を飲みに行った時のこと。

主催者である女性レスナーはベテランと言えるキャリアを持ち、関東郊外で長年地元に密着したレッスンを展開しています。

 

決して生徒数は多くはありませんが、それでも30年以上も続けているのですから根付いていると言えます。

ただ、やはり生徒の減少、長続きしないことが悩みの種でもあるらしいのですが、今春に音楽大学を卒業した長女がお手伝いをすることになったのです。

 

周りからは「どこか会社に入れるとかして社会勉強させた方が…」との声もあったらしいのですが、先生は「くだらない慣習で潰されるくらいなら世間知らずの方がまだマシよ」とのことで判断したとか。

それについて、私はとやかく言う資格はないのでここでは何も言うつもりはありません。

 

ただ、ことさら発表会のことになると先生も色々と愚痴めいたことを言うので、ついつい私も口を挟んでしまったのですね。

 

果たして発表会はビジネスか?利益がないとダメ?

何故かというと、先生が「今年は赤字だった…」とぼやき、周りからは「もっと生徒を増やさないとね♪」など言われると「そう簡単な話じゃないのよ!」と反論。

 

ちょっと待て。

今の状態で果たして単純に生徒が増えたら赤字か解消されるのか?

 

そこで私は先生に聞きました。

「参加費はいくらなんですか?」

 

返ってきた金額はおそらく安いと言える額です。

しかも兄弟姉妹で参加の場合はさらに2割程度も安くしているのです。

その理由を聞くと…

 

「毎月の月謝だって厳しい人がいるのに、発表会に高い金額を設定して経済的理由で参加できないなんて子がいたらかわいそうでしょ!」

 

確かに。。。

昨今では中学や高校でも修学旅行に行けない生徒もいるとかの話も聞きます。

ん…

 

 

また別の日に、別の会場で行われた発表会があり、そこでも慰労会が設けられ私も誘われました。

そこで私は先述の先生の事情を話し、ここではどうなのか?を聞いてみたのです。

するとここの先生は少々呆れ顔。

 

「そもそも赤字になるのがおかしい。」

「と言うと?」

「私は毎年、決まった金額を設定していません。だって会場が変われば経費も変わります。生徒全体に大体の意向を聞いて参加人数を仮定し、あとは単純に過去の経費を参考にして総額を参加者で割ります」

 

ん… 確かに明快だ。

 

「私はボランティアでレッスンしているのではありませんし、かと言って発表会で大儲けしようとも思いませんよ。でも赤字になることがそもそもおかしいでしょ?」

 

「だから記念イベント的な年は2万円になることもあるし、安い会場が取れたら1万円以下にもなりますよ」

 

完全に割り切っている姿勢が良い。

 

月謝にしろ発表会費にしろ正当な金額があるはず

 

レッスンの月謝は「商品の定価」ですよね。

それは正当な対価でなければなりません。質の良いレッスンや環境を維持していくためにも。

 

では、今の親御さんは何を基準にお教室を決めているのでしょうか?

それについては色々とあるでしょうし、それぞれに言い分もあります。

 

でも、私個人としては単純に「安い」が基準ではないと思っています。

やはりブランド力もありますよね。

「音楽大学合格者 ◯名!」とか「〇〇コンクール入賞!」とかあればイメージも変わります。

 

確かに音楽にしろ、一般の勉強にしろ全ての人が教育を受ける権利があります。

しかし反対に経済的理由でそれが困難である子供がいることも事実です。

それについて対策はないのかと私が議論しても始まりませんが、かと言って自分を犠牲にしてまでレッスンをしていたら自分が人間らしい生活を送ることができなくなります。

 

だから「正当な対価」があるのですね。

安すぎても、高過ぎてもいけません。

 

私は発表会もビジネスだと思っています。

でも、それはどちらかが儲けて、どちらかが損をするビジネスではありません。

双方ともが「儲ける」ビジネスです。

 

屁理屈に聞こえるかもしれませんが、お金の意義というのはそういうものです。

それについてはまた機会があったらお話ししますね。

 

みなさんのお教室ではどうされていますか?

 

 

 

OPA312 とまるおさむ
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