音楽教室の未来は?(その513)

**『 「捨てられる女優」になりたい 』**

 

みな様こんにちは。


『発表会写真撮影・ステージ写真撮影』のピアノアーテック312 代表の都丸です。

 

 

本日は2月13日付 朝日新聞朝刊『リレーオピニオン』です。

女優の高畑 充希 さんです。大河ドラマ「軍師官兵衛」では黒田長政の最初の妻役を演じましたね。今は「チョーヤの梅酒」のCMにも出ています。


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少し前、「捨てられる女優になりたい」とお話したことがあります。

もちろん、監督や演出家に捨てられたいという訳ではありません。


得意な役柄というのがあまりないから、毎度毎度違う、様々なキャラクターの役をいただきます。その都度たくさん教わって、あ、この時はこうすれば良いんだとか、このやり方は次の作品で使えるって思う。

でも、実際にそうすると、意外に失敗するんです。



<中略>


もちろん毎日ほぼ同じ動きをするんですが、自分の中で動く理由や動機が日によって1ミリとか2ミリとか違います。

感情的になっている日もあれば冷静な日もある。疲れてイライラしている日だってあります。でも、そのイライラが舞台でうまく出て、歌う場面で思わぬコブシが入って良かったりとか。舞台は生き物だなと思います。



だから毎回毎回リセットして、前の演技のことは忘れて、新鮮な気持ちで役柄に食いついていきます。「捨てられる女優」とはそういう意味です。

前の、うまくいった時の演技を自分でなぞろうとしたら、終わりです。


<中略>



でも、捨てられるようになってしまって、嫌だなと思うこともあります。

以前は、ひとつの舞台が終わると寂しくてみんなと離れるのが辛くて、次の仕事が手につかなかったり、知恵熱を出してしまったり…なんてことがありました。

経験を積むにつれ、そんな気持ちが薄れてきたのが少し悲しいです。



これからも、役の糸口のつかみ方とか、こう演じよう、みたいなことは捨てていきたいですけど、このカンパニー大好きだな、このチームを離れたくないなという気持ちは捨てられるようにはなりたくないです。





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『捨ててこそ』の第6弾です。


自分を表現するアーティストでは初めてです。

なるほど、やはりそれぞれの仕事において事情も異なりますからひと口に「捨てる」と言える感覚も違うものなのですね。


特にそれを感じたのが


『前の、うまくいった時の演技を自分でなぞろうとしたら、終わりです』


という一文。


上手くいったから、その後もそれに習って…という考え方は演技の世界ではダメなんですね。つまりそこで止まってしまうということなんでしょう。

そのくらいの貪欲さが彼女が活躍できる大きな理由なのかもしれません。



このシリーズ意外でも私は「上手くいった時の解析が何よりも必要」と訴えてきました。それは今でも変わりません。

失敗した反省はもちろんですが、上手くいった時の自己分析は更に重要な仕事だと思っています。でも、その上で同じことをやっていてはダメなんだと今回教えられました。


さらに飛躍するためにはそれを土台にしてもう一工夫してみる…

そうした姿勢が大切なんですね。



そんな彼女もやはり「慣れ」という避けられない習性に悩んでいるようです。

そこは「人情」ですからね。大切な人とのつながりは気持ちの上でいつまでもあります。それはそうそう簡単には捨てられるものではありません。


そうしたこともまた、これからの経験で上手に付き合っていけると思います。。。