音楽教室の未来は?(その502)

**『 敗者の想像力 』**

 

みな様こんにちは。


『発表会写真撮影・ステージ写真撮影』のピアノアーテック312 

代表の都丸です。

 

 

 本日は1月20日付 朝日新聞朝刊・文化面からです。



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「勝てなくてすみません。力で押されていますし…」


戦前のカナダに実在した日系人野球チームを描いた映画「バンクーバーの朝日」で、妻夫木聡さん演じる主将はうだつが上がらない。白人チームのパワープレーに圧倒されて、完敗続きだからだ。



人種差別による審判の不当な判定も度々。

「まともにやっても勝てない。考えなきゃ…」

そうして思いついたのがバントや盗塁を駆使した頭脳野球。機動力で白人選手を翻弄し快進撃が始まる。


まさに「柔よく剛を制す」。日本人らしい知恵と団結力でリベンジする胸のすくストーリー。


…そう要約すると、映画が与える印象とだいぶずれてしまう。


試合中、主人公に危険球を投げる白人投手の手のひらがクローズアップで映し出される。日々の厳しい労働を物語る、日系人と同じように土まみれでボロボロの手。

憎らしい相手にも、背負うものがある。そう想像させるカットだ。


石井裕也監督は「敵か味方か、すぐに決めつける表現があふれているのが今の日本。複雑な現実を前に、想像を巡らせて逡巡(しゅんじゅん)する視点を提示していくしかない」


日系人チームは勝っても大喜びせず、深々と一礼する。

敗北を知っているから、相手の立場を思いやれる。

それが「敗者の想像力」だ。



<中略>



日本を振り返ってみても、基本的人権を保障する日本国憲法は、先の大戦で敗戦後、連合国総司令部の関与の元に成立した。


「占領軍がつくった憲法でいいのか」

「押しつけ憲法は返上を」

といった議論が今も絶えない。


押しつけられてしまった弱さ。

つまり、敗戦。


文芸評論家の加藤典洋さんは「その事実に向かい合うことが大切」と話す。


「負けをしっかりと受け止める。間違いはしっかりと謝罪する。つまり、弱さを避けない。そのことが本当に強いということ。そこから敗者の誇りも想像力もやってくると思うのです」




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この映画は現在、上映中ですね。野球好きの方なら面白く鑑賞できるのではないかと思います。


戦前にブラジルやアメリカなど遠い外国に移民として海を渡った人たちの話はよく聞きますね。その苦労は私たちがどんなに想像をしたところで到底及びもしないレベルだったと思います。



まともに勝負しても勝てない。何とか考えないと・・・


知恵を絞り出してみんなで考えたのでしょう。

それが現在の日本の『野球』の礎になったのかもしれません。


しかし記事の中にも記されているように、常に日本人の苦労話ばかりがクローズアップされているわけではなさそうです。

それは戦争映画でも言えるのですが、『敵』にも愛する祖国があり、両親がいて、家族がいて、守るものがあるのです。



少々、話が逸れました。


ここで大切な事は「負けを素直に認める」「過ちを素直に認める」という行為。

これはある意味では本当に勇気の必要な事です。



『負けをしっかりと受け止める。間違いはしっかりと謝罪する。つまり、弱さを避けない。そのことが本当に強いということ。そこから敗者の誇りも想像力もやってくると思うのです』



これは本当にその通り。

どんなにプロフェッショナルになったとしても、間違いは起こるだろうし、失敗だってすることもある。


その時にそれを受け止め、どう対処するか?が問われます。



また、反対の立場になることもあるでしょう。

取引先が失敗をしてしまい、迷惑を被ってしまう。

その時の対応をどうするか?怒鳴り散らしてしまうのか?


もちろん、時と場合によりますが失敗しない人などいませんよ。

誰だって失敗し、他人に迷惑をかけて成長するのですからね。


『敗者の想像力』


これもまた大切な『力』です。


特にピアノを教えるレスナーにも。

生徒が何度も何度も失敗をしてうまく弾けない時、レスナーはどうするか?

自分がそういう経験をしているか?でも対応は変わります。


しかし、怒鳴りつけては生徒は萎縮するだけです。

そんな経験は誰しも必ずあるはずですから、『敗者の想像力』が問われるのです。


生徒がその壁を乗り越えた時に、また一歩、大きな信頼関係が築けますからね。



何年か前に、大相撲で勝った力士が土俵上でガッツポーズをしたことが問題視されましたね。個人的には別にいいかな…とも思います。意識して出たとは思えませんからね。勝ちたくて仕方がなかった勝負に勝つことができて、自然と出た仕草なはず。気持ちを押し殺すよりは素直で良いと思います。


ただ、その後に大はしゃぎするようでは品格を問われます。

その違いではないでしょうか?



考えてみれば、最近ガッツポーズなどしたことないなぁ…(笑)